カシコレラ・ミュージック

カシコレラ・ライヴをカシコレラ・ミュージックと改称し、音楽に関する気ままな投稿場所とします(2023年4月10日より)。

優美で温かく彩り豊かな心安らぐプレイリスト② Steve Howe - Rose

『優美温彩 ~すべての人に安らぎを 2023冬』

【第1部】

01.Steve Howe - Cantata No.140 (Wachet Auf)

02.Steve Howe - Rose

www.youtube.com


”Time”(2011)収録

CDに付いていたスティーヴ・ハウ自身の解説によると
シェークスピアが16世紀頃書いた文章”...a rose by any other name,would smell as sweet."
(バラはどのような名前でよばれようが、甘い香りがするもの)にインスピレーションを受けて作曲したそうだ。

この文章とは、『ロミオとジュリエット』でのジュリエットの独白のことだろう。
この戯曲の舞台は、14世紀、イタリアのヴェローナ教皇派と皇帝派の対立抗争が時代背景。
モンターギュ家とキャピュレット家という、互いに憎しみあう家に生まれた女と男が相手を好きになってしまった。
ジュリエットは、次のように独白する。

          ◆
­ああ、ロミオ、ロミオ、どうしてあなたはロミオなの?
お父さまをお父さまと思わず、名前を捨てて。
それが無理なら、私を愛すると誓って。
そうすれば私はもうキャピュレットではない。

憎い敵は、あなたの名前だけ、モンタギューでなくてもあなたはあなた。
モンタギューってなに?手でもない足でもない腕でもない顔でもない。
ああ、何か別の名前にして!
名前に何があるの?バラと呼ばれる花を別の名前で呼んでも、甘い香りに変わりはない。

・・・

ロミオ、名前を捨てて。
あなたの体のどこでもないその名の代わりに私のすべてを受け取って。

           ◆

「名前」によって憎しみあっているだけで、人によってつけられた「名前」は私たちとは関係ない。”かけがえのないあなた”は”かけがえのない私”を受けとめてほしい、と。


「A」と「B」が「戦争」という名の「殺し・殺され合い」をしている時、「A」に属するαさんと「B」に属するβさんは、恋愛関係にはなくても、互いに”かけがえないあなた”と”かけがえのない私”のはずだ。
「A」や「B」という概念(名前にすぎない)に振り回されないことが、「愛」や「平和」への道だろう。