カシコレラ・ミュージック

カシコレラ・ライヴをカシコレラ・ミュージックと改称し、音楽に関する気ままな投稿場所とします(2023年4月10日より)。

02. 敬愛するミュージシャンへの問いかけ? 'Alison Statton' by Pant Yell!

曲名に実在する/実在した人物名が含まれている洋楽というお題をたてて真っ先に思い浮かんだ曲はこれだ。

Pant Yell! - Alison Statton

www.youtube.com


 *Pant Yell! ”Alison Statton”(2007)収録

Alison Stattonは、Young Marble GiantsやWeekendのボーカリストとして知名度が高いウェールズ出身の女性。
Weekend解散後も、Ian DevineやSpikeと組みながらも、Alison Stattonという個人名を表に出して佳作ながらも地道かつ控えめに作品を発表。彼女の作曲能力と穏やかで優しい歌唱がとても気に入っている。
私が最も好きな女性ミュージシャンなのだ。

Pant Yell!は、おそらく2003年頃から2010年にかけてボストンで活動したインディーズのポップ・グループ
メンバーは、Andrew Churchman(ボーカル、ギター他、リーダー)、Sterling Bryant(ベース)、Casey Keenan(ドラムス)。
アルバム”Alison Statton”の録音には、ボーカル、サックス、トランペット、ギター、キーボード等、5人のサポート・メンバーが参加している。

このアルバムは、大型CD店でAlison Stattonの場所に誤って並べられていたのを見つけ、興味を持って購入した。とても気に入っている作品だ。


社会的な内容を目当てに聴く楽曲以外は、歌詞内容を気にすることなく、ボーカルも楽器の1つとして聴いてしまう私。
これまで歌詞を意識することなく、この曲を聴いていた。
なぜ、この曲の題名が’Alison Statton’なのか?
今回、初めて歌詞に注目してみた。


最後の2フレーズ。
「僕はどうしたらいい?ワンマンバンドのメンバーでいるよりもむしろソロの歌手になりたいんだけど」
(Show me where you think I should stand.I'd rather be a singer than a one man band.)

Young Marble GiantsやWeekendを解散し、時に、Ian DevineやSpikeと組みながらも、Alison Stattonという個人名で活動していた彼女のことを想起し、自分はどうあるべきか、彼女に問いかけた歌なのだろうか?

このアルバムに関する批評記事を参照した。
https://pitchfork.com/reviews/albums/11364-alison-statton/
https://softabuse.bandcamp.com/album/alison-statton-2

このアルバムはAlison Stattonに敬意を表した作品ではあるが、彼女との関連性は薄く、端的に言うと、「優しく控えめな表現(gentle understatement)」という点が彼女の音楽とこのアルバム、あるいは、Pants YELL!!の音楽との共通点。
そのような趣旨の批評をMarc Hoganなる人物が行っている。

最後に、彼らの動画を2つ掲載しておく。

Pants Yell! "Someone Loves You"

www.youtube.com


*”Received Pronunciation(2009)”収録曲

Pants Yell! at WHPK Summer Breeze in Chicago on 5-15-2010

www.youtube.com


*”Alison Statton”(2007)収録曲’Two French Sisters’ 
 ”Received Pronunciation(2009)”収録曲’Someone Loves You’ 

今回の調査で彼らの音楽への愛着と理解が深まった。
アルバム”Received Pronunciation(2009)”を手に入れたくなった。